不動産を売ると税金がかかる!税金の種類と計算方法について解説します

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不動産を売ると税金がかかる!税金の種類と計算方法について解説します

不動産は、売ると何種類かの税金がかかります。種類と金額を把握しておかないと、「思っていたよりお金が残らなかった」ということにもなりかねません。

 

税金については、あらかじめ税理士に相談できれば最も確実に把握できます。しかし、税理士事務所は無数にあるので、相談する税理士を選ぶのも一苦労でしょう。ある程度自分で計算できれば、それに越したことはありません。

 

不動産売却の税金において最も重要なポイントは、譲渡税がいくらなのか計算しておくことです。

 

この記事では、不動産売却にかかる税金とその計算方法について解説します。

 

●最も重要な譲渡税

不動産を売却した時に支払う税金として最も大きな金額になるのは譲渡税です。まずは譲渡税の計算について解説します。

 

●譲渡税の計算方法

譲渡税の計算方法は以下のとおりです。

 

譲渡所得×譲渡税率=譲渡税

 

しかし、譲渡所得とは単純に不動産が売れた金額を指すわけではなく、計算にはその他の金額も関係してきます。

 

●課税対象となる譲渡所得の計算方法

譲渡所得の計算は、以下のとおりです。

 

不動産が売れた時の売却額 – (不動産を買った時の購入額 – 減価償却費 + 不動産を買った時の諸費用) – 不動産が売れた時の諸費用

 

減価償却費とは、建物の経年劣化によって目減りした資産価値のことを表します。減価償却費は、実地調査などによって査定するわけではなく、国税庁が定めた計算方法で計算します。

 

例えば、新築時2,200万円で購入した後、築10年が経過した木造住宅であれば、減価償却費は以下のように計算します。

 

木造住宅の法定耐用年数:22年間

2,200万円 ÷ 22年 = 100万円 → 1年間で100万円ずつ資産価値が目減りしていく

100万円 × 10年 = 1,000万円 → 10年間で1,000万円価値が目減りしたと計算

2,200万円 – 1,000万円 = 1,200万円 → 税法上の資産価値

 

この場合、1,200万円が「不動産を買った時の購入額 – 減価償却費」に該当します。なお、木造住宅は法定耐用年数が22年ですが、法定耐用年数は木造かRC造かなど住宅の構造によって違うので、国税庁のホームページで確認しましょう。

 

※参考 国税庁

https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

 

●不動産譲渡所得の3,000万円控除特例

課税所得の計算については、居住しているマイホームを売却する場合に限り、3,000万円が控除される特例があります。

 

つまり、所定の条件に当てはまる場合は、課税所得を3,000万円差し引いて計算してよいということです。条件の一例をご紹介します。

 

・自分が住んでいる住居を売却すること

・住まなくなった年から3年後の12月31日までに売却すること

・住居を売った年の2年前を期限として、住居売却の税金に関する特例を利用していないこと

・親族や内縁関係にある人との取引ではないこと

 

正確な条件については、国税庁のwebページでご確認ください。

 

※参考 国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

 

●不動産の不動産の保有期間によって税率は違う

つづいて譲渡税率ですが、不動産を何年間保有したかによって違う税率が設定されます。保有期間が5年を超える場合は合計で20%、保有期間が5年に満たない場合は合計で39%と把握しておきましょう。

 

なお、保有期間の計算方法には要注意です。引渡しを受けた日から起算して5年と数えるわけではありません。税率を下げるためには、不動産を購入して引渡しを受けた次の1月1日から数えて5年が経過している必要があります。

 

つまり、例えば2020年6月1日に引渡しを受けたとしたら、2021年1月1日から数えて5年以上の保有が条件です。税率が下がるのは、2026年1月1日以降に売却した場合のみとなります。

 

●不動産売却によって損失が出た場合

不動産の譲渡税は、譲渡所得が出た場合に限り課税されます。つまり、売れた金額が安いために得が出なかった場合は、譲渡税は課税されません。また、損失が出た場合は、損失額を給与所得など別の所得から控除できます。

 

なお、損失額が大きく1年で控除しきれなかった場合は、翌年以降3年間は残額を控除に回せます。

 

ちなみに、売却の結果が得であっても損であっても、不動産を売却したら翌年に確定申告をしなくてはなりません。サラリーマンであっても確定申告をする必要があるので、注意しましょう。

 

●その他の税金について

不動産を売却すると、譲渡税以外に2種類の税金がかかります。金額は譲渡税よりも少ないものですが、併せて把握できているとよいでしょう。

 

●収入印紙税

不動産売買契約書には収入印紙を貼付します。収入印紙の購入にあたっては、印紙税がかかるので覚えておきましょう。なお、令和4年3月末までの間、印紙税には軽減税率が適用されます。

 

契約金額

本来の印紙税

軽減税率適用後の印紙税

500万円を超え1,000万円以下

10,000円

5,000円

1,000万円を超え5,000万円以下

20,000円

10,000円

5,000万円を超え1億円以下

60,000円

30,000円

1億円を超え5億円以下

100,000円

60,000円

※参照 国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

 

●登録免許税

不動産を売却すると、登記名義の変更が必要です。登記の処理には登録免許税がかかります。税金は1,000円ですが、登記の処理は行政書士に依頼して行うので、行政書士に支払う費用が別途必要です。

 

【まとめ】

不動産売却にかかる税金として最も大きいのは譲渡税です。譲渡税を算出するにあたっては、減価償却の計算を把握しているかどうかがカギになります。

 

不動産の売却を検討しているのであれば、ぜひこちらの記事を参考にご自身でも計算されてみてください。