空き家を相続したら売却すべき?損しないための注意点を不動産のプロが解説info
相続人が利用できる「居住用財産の3,000万円特別控除」とは?
相続した空き家を売却する際、税金の負担を抑えるために知っておくべき制度のひとつが 「居住用財産の3,000万円特別控除」 です。
この制度を活用すれば、譲渡所得から最大3,000万円を控除でき、売却時の税負担を大幅に軽減できます。
ただし、適用要件があるため、事前に条件を確認することが重要です。
ここでは、制度の概要と適用要件、利用時の注意点について詳しく解説します。
居住用財産の3,000万円特別控除とは?
「居住用財産の3,000万円特別控除」は、不動産を売却した際に生じる譲渡所得(売却益)から 最大3,000万円を非課税 にできる税制優遇措置です。
通常、不動産売却で利益が出ると譲渡所得税が発生しますが、この控除を適用すれば税負担を軽減できます。
たとえば、売却益が3,500万円の場合でも、3,000万円が控除されるため、課税対象となるのは500万円のみとなります。
相続した空き家でも控除が適用される?
相続した空き家についても、この特別控除を利用できる場合があります。
ただし、適用には以下のような 要件 を満たす必要があります。
適用要件
- 2016年4月1日以降に発生した相続であること
- 売却する空き家が被相続人(故人)の居住用財産であること
- 被相続人が亡くなる直前まで一人暮らしだったこと
- 売却する空き家が旧耐震基準の物件(1981年5月31日以前の建築)であること
- 耐震リフォームを行う、または解体して更地として売却すること
- 相続開始から3年以内に売却すること
控除を受けるための手続きと必要書類
制度を利用するには、確定申告が必要です。主な流れは以下のとおりです。
① 必要書類を準備する
【手続きに必要な書類】 ・被相続人の住民票の除票 ・売買契約書のコピー ・旧耐震基準の確認資料(建築年がわかる書類) ・耐震リフォームの証明書または解体証明書
② 確定申告を行う
相続人は、売却した翌年の確定申告期間(通常2月16日〜3月15日)に 税務署で申告手続き を行います。
③ 控除適用後の税額を確認する
控除が適用されることで、実際に支払う税額が軽減されるかどうかを確認します。
3,000万円特別控除を活用する際の注意点
空き家を持つことで発生する費用・税金
相続した空き家をそのまま所有し続けると、さまざまな維持費用や税金が発生し、経済的な負担が増すリスクがあります。
ここでは、具体的なコストや税負担、空き家を放置するリスクについて解説します。
空き家を所有することでかかる維持費
相続した空き家を維持するには、定期的な管理や修繕費が必要です。主な費用は以下の通りです。
項目 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
固定資産税・都市計画税 | 所有する不動産にかかる税金 | 年間10万〜30万円程度 |
建物の修繕費 | 劣化や老朽化対策 | 修繕内容により数十万〜数百万円 |
庭や敷地の管理費 | 草刈りや防犯対策 | 年間5万〜10万円 |
光熱費 | 通水や点検のための最低限の契約 | 年間数千円〜数万円 |
火災保険・地震保険 | 万が一のリスク対策 | 年間数万〜10万円程度 |
特定空き家の指定回避費用 | 放置による行政指導対策(解体・修繕) | 50万〜数百万円 |
これらの費用は、空き家を長期間放置するほど増えていくため、売却を検討する一つの判断材料になります。
相続した空き家にかかる税金とは?
① 固定資産税・都市計画税
不動産を所有すると、毎年「固定資産税」と「都市計画税」が課税されます。
通常、住宅用地の特例により税負担は軽減されますが、空き家のまま長期間放置すると特例が解除され、税額が最大4倍になる可能性があります。
- 1/6に軽減(200㎡以下の部分)
- 1/3に軽減(200㎡超の部分)
→ 特定空き家に指定されると、この特例が適用されず税額が大幅に増加するため注意が必要です。
② 空き家を売却する際の譲渡所得税
売却時に利益(譲渡所得)が出ると、譲渡所得税や住民税がかかります。
税率は所有期間によって異なります。
- 5年以下(短期譲渡):税率39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
- 5年超(長期譲渡):税率20.315%(所得税15.315%+住民税5%)
3,000万円特別控除を適用すれば、譲渡所得から3,000万円まで非課税にできます(適用要件あり)。
空き家を放置する事で「特定空き家」に指定されるリスク
適切に管理されていない空き家は、行政から「特定空き家」に指定される可能性があります。
特定空き家に指定されるとどうなる?
- 固定資産税の住宅用地特例(最大1/6)が解除され、税額が最大4倍に増加
- 行政から指導が入り、改善しない場合は強制撤去(行政代執行)の可能性
- 解体費用が数百万円以上かかるケースも…
👉 特定空き家に指定される前に、売却や活用を検討することが重要です。
結論:相続した空き家を使わないのであれば早めの売却がおすすめ
相続した空き家を 使う予定がない場合は、できるだけ早く売却するのが賢明です。
放置すると固定資産税や維持費がかかるだけでなく、老朽化が進み売却価格が下がるリスク もあります。
ここでは、空き家を早めに売却すべき理由と売却時の注意点 について解説します。
空き家を早く売却すべき3つの理由
① 老朽化による資産価値の低下
建物は時間とともに劣化し、売却価格が下がる可能性が高くなります。
特に 築20年を超えると、建物価値はほぼゼロに なり、土地の価格のみでの取引が一般的になります。
築年数と資産価値の関係
築年数 | 建物の資産価値 |
---|---|
〜10年 | 80〜90% |
10〜20年 | 50〜70% |
20〜30年 | 20〜40% |
30年以上 | ほぼゼロ(建物価値なし) |
早めに売却することで、より高い価格で売れる可能性があります。
② 維持費・税金の負担が増える
空き家を維持するためには 固定資産税、都市計画税、管理費、修繕費 などがかかります。
また、「特定空き家」に指定されると、固定資産税の軽減措置が解除され、最大4倍の税負担になる可能性があります。
年間の維持コスト例(一般的な戸建ての場合)
費用項目 | 年間コスト |
---|---|
固定資産税・都市計画税 | 10万〜30万円 |
建物の管理費 | 5万〜10万円 |
修繕費 | 数万〜数十万円 |
合計 | 15万〜40万円以上 |
売却すれば、これらのコストを削減できるため、経済的な負担を軽減できます。
③ 空き家を放置するとリスクが増す
空き家を長期間放置すると、以下のようなリスクが発生します。
- 防犯・治安の悪化(不法侵入、放火のリスク)
- 老朽化による倒壊リスク(近隣トラブルや行政指導の対象)
- 特定空き家に指定される可能性(固定資産税の負担増)
建物の倒壊による近隣トラブルは、損害賠償に発展するケースもあるので要注意です。
空き家を売却する際の注意点
① 相続登記を済ませておく
不動産の売却には 相続登記(所有権移転登記)が必須 です。
相続登記を行わないと 名義人が故人のままとなり、売却ができません。
2024年4月から「相続登記の義務化」が施行 され、登記しないと過料(罰則) が課せられる可能性があります。
早めに相続登記を済ませておきましょう。
② 売却の流れを把握する
空き家の売却には、以下のような手順が必要です。
- 1.不動産会社に査定依頼(相場を確認)
- 2.相続登記の完了(名義を変更)
- 3.売却活動(広告・内覧対応)
- 4.売買契約の締結(契約内容を確認)
- 5.決済・引き渡し(売却代金の受け取り)
特に「相続登記」や「不動産会社の選定」は、スムーズな売却のために重要です。
③ 税制優遇を活用する
空き家の売却には、税制優遇制度を利用することで節税が可能です。
「居住用財産の3,000万円特別控除」 を活用すれば、譲渡所得から3,000万円を控除でき、税負担を大幅に軽減できます。(適用要件あり)
税制優遇を活用しながら、売却のタイミングを見極めることが重要です。
相続した空き家・不動産の売却は「トヨオカ地建」にお任せ
相続した空き家・不動産の売却をスムーズに進めるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
税金や法律などの専門的な知識が必要になるケースが多いため、知識のない不動産会社に依頼してしまうと、 本来受けられるはずだった税制優遇や控除が利用できず、損してしまう可能性があります。
トヨオカ地建では、税理士・司法書士・行政書士などの各専門家と連携し、売却後の手続きまでワンストップでサポートできる体制が整っております。
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